ファイル名が残っていないのに、データを読み出せる?
パソコンのOSの機能の一つにファイルシステムという仕組みがあります。
パソコン内部もしくは外部記憶装置内のデータの記録状態を管理しているのが、 ファイルシステムです。
ファイルシステムは、私たちがそれぞれのファイルを管理するための機能も提供しています。ファイルシステムによってデータは、ファイル単位で管理され、ストレージ上の空いている領域に保存されていきます。
ファイルシステムの機能の一部にフォーマット(初期化)があります。フォーマットとは、ファイルシステムに合わせ、記憶領域を区切り番号をつけ、目次のようなものを作成しそれらを管理することによりストレージが認識され、使えるようになります。 初期化という語感から、データを消してしまうことと思われることがあるようですが、そうではありません。 フォーマットすることで、新たに目次を作り、クラスタというデータを保存するための区切りを仕切り直しデータを収めるための準備をします。(データを記録する最小単位はセクタですが、セクタのまとまりをクラスタと呼びます。)
容量の多いデータであっても、連続した領域に保存されるとは限らず、ストレージ上の空いている箇所に分散して収められていきます。
ファイルには任意の名前(ファイル名)を付けることができ、ファイルの作成日や最終更新日時(タイムスタンプ)、ファイルシステムにおいてどのディレクトリ内に保存されているかなどの情報が管理領域に記録されます。
私達がデータを作成し、保存したり削除したりする場合、ファイル名やパスを利用して行います。そのデータをファイルシステムが管理領域を参照してストレージ上に書き込んだりデータを削除したりします。
ファイルシステムには、ファイルやディレクトリの管理以外にも、アクセス権限の設定、暗号化などのセキュリティ機能、ログ、ジャーナルなどの保存機能などがあります。圧縮機能もその一つです。 WindowsではFAT(FAT16,FAT32,exFAT)やNTFSが使われており、macOSではHFS+やAPFSが使われています。
ファイルシステムの管理領域に記憶されているインデックスが無くなった場合、もう、データを読みだすことができないと思ってしまいます。ところが、本に例えるならば、目次のページが無くなっても、本文のページはそっくりそのまま残っている状態です。なのでフォーマットで安心してPCを処分してしまうのは、大変危険です。
データ消去を依頼する場合、セキュリティ管理や保護の資格を取得済みのしっかりした事業者に依頼することが肝心だということは、頭の片隅にでも置いていただきたいと思っています。
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