PC内のデータを自分で破壊する方法
以前PC内のデータが入っている記憶媒体をドリルで破壊した政治家のニュースが 新聞紙面やネット記事を賑わせたことがありますが、ごく最近でも同様のニュースがありました。HDDのプラッタ部分を電動ドリルで何か所か破壊してしまえば、データ復元は不可能になりますが、あんなに硬質で頑丈なPC内の記憶媒体をドライバーで破壊することなどできるのでしょうか。どのような方法で破壊すれば、メールのやり取りなどを含めたPC内のデータを復元不可能な状態にできるのでしょうか。
まず、ノートPCから記憶媒体を取り出すところから始めてみます。
記憶媒体を取り出すときに必要なものは、ラジオペンチ、プラスとマイナスのドライバー、精密ドライバーセットやトルクスドライバー、静電気防止用手袋 ( 導電手袋などともいいます。)などです。静電気防止用手袋には、軍手タイプのもの、合成繊維でできた薄手のものなどがあります。金属の切断面などで手を傷つけないためにも手袋はしたほうがいいでしょう。
ノートPCから記憶媒体を取り出す手順
- 1. ノートPCの電源を切り、ACアダプターや繋いである周辺機器を全て外す。
- 2. 数分そのまま放置して放電する。
- 3. PCを裏返し、ドライバーでカバーを外す。
- 4. HDDを固定しているマウンタのネジを外し、HDDを取り出す。( SSDの場合も同様に行う )※大型のPCの場合、HDDが複数個ついていたり、HDDとSSDの両方が付いている場合があります。その場合はどちらも取り出す必要がありますが、グラフィックボードの陰にあるなど見つけにくい場所にあるケースもあるので注意が必要です。
HDDを破壊する
1.ノートPCから取り出したHDDを物理的に破壊し、データを取り出せないように します。マイナスのドライバーでこじあけたいのですが、手袋に引っかかったり、手を傷つけるのを防ぐためにHDDの差し込み口の金属の部分をラジオペンチで折ります。
2.金属のフタの部分にマイナスのドライバーを差し込み、テコの原理を使いこじあけます。ラジオペンチなども使いながら開けていきます。中にある円盤のようなものがプラッタ部分で、そこにデータが記録されています。なので、その円盤のようなものを物理的に破壊すれば、データの復元は不可能となります。
SSDを破壊する
SSDはHDDとデータの保存方法が全く違います。データはNANDフラッシュメモリに保存されます。SSDコントローラーが複数個のチップにデータを振り分けて保存します。SSDを物理的に破壊する場合は2個のペンチを使って緑色の基盤の部分を折り曲げ、壊していきます。基板とチップの間にマイナスドライバを差し込み、テコの原理で持ち上げるとチップは簡単に壊れます。小さなものは、キリのようなものとハンマーで壊します。基板の裏側にもチップが付いているケースもあるので基板の裏側も確認します。
データの悪用、流出を防ぐために、PC内の記憶媒体から完全にデータを消去するのは、とても大事なことですが、ガラスや金属で手や目などを傷つけるリスクもあり、大変な時間もかかります。ご自分でPCのデータを破壊する方は十分注意して行って下さい。
また、専門の業者にデータ消去を依頼する場合は、「データ消去証明書」の発行が可能かどうかを確認すると良いでしょう。